体験談
Experience report

森本 紗加

約11ヶ月の留学期間を経て帰国した今、私は留学先にカナダを選んでよかったと思っています。コロナ禍での留学だったため、フライトが少なく、出発空港から到着まで約70時間、到着してからホテルでの2週間の隔離を行うという貴重な体験からの留学生活のスタートでした。そのため、出発の成田空港で初対面のYFU63期生でしたが、移動〜隔離生活2週間で親しくなり、トラブルや助けが必要な時、お互いに連絡を取り合って相談ができるほど親密な関係を築くことができたり、時差や体調管理、また英語に耳を徐々に慣らしていったりと、とても良い準備期間となりました。ホストファミリーに到着してからは、すぐ学校が始まりましたが、コロナの影響でオンラインと対面授業が隔日で行われ、最初は、友達作りが困難な状態が続きました。そんな時、カナダの学校が国際色豊かであることが、私にとって大きな救いでした。私の学校は、日本人は私だけでしたが、カナダは治安が良くまた国が安定し、多くの外国人を受け入れているため、特にアジア諸国からの移民や世界中からの留学生が大勢来ています。そのため各授業の先生方の留学生への理解も高く、また英語を勉強していく過程の中や友達作りにおいても、留学生仲間が、いつも助けてくれました。また留学前に聞いていた、アジア人差別やいじめなどといったものも、私はカナダで一度も経験しませんでした。カナダの環境は、私にとって最適なものだったと思います。
私の学校はgrade11(高校2年生)から選択授業制となっており、私はEntrepreneurship(起業家)、Outdoor Pursuit(屋外活動)、音楽、数学、英語(留学生用)を前期にとり、後期にはLaw(法律)、体育、英語(カナダ人が受ける通常のクラス、日本で言う国語のようなもの)、数学、Economics(経済)を選択していました。起業家のクラスでは、主に起業の仕方や企業の仕組み、フランチャイズについてなどを学び、最終試験では自分のビジネスを考え、実際にプランを組み立ててみるというプロジェクトがありました。それには経費や店の立地、従業員の数や時給設定、競合店になりうる場所のピックアップや、広告の仕方等を全て自分で考え、一冊の起業計画書を作りました。法律の授業では、裁判所が必ず提出する記録内容を読んで、過去にカナダで起きた裁判のケースが正しかったかどうか、どこがその判断の基準となっていたのかをひたすらグループで討論していました。裁判所から出される記録は、ほとんどのものが4000wordを超えていたり、専門用語が使われていたりと、読むのにとても苦労しましたが、授業自体はやりがいをすごく感じ、自分の夢を志すきっかけを与えてくれました。経済の授業では、経済の基礎知識や世界経済の仕組みなどを学ぶとともに、株のシミュレーションサイトを用いて、株の取引の仕方を学びました。このように私の学校には20以上のユニークな科目が用意されていて、日本の高校では学ぶことのできないことを学べたとともに、想像力や対話力が鍛えられた素晴らしい経験だったと思います。カナダには、生活面でも、勉強面でも 最適な環境が揃っており、もちろん苦労することや大変なことは日常的にありましたが、それでも自信を持って留学先としてお勧めすることのできる最高の国だと思います。皆さんもカナダに行ってみてはいかがですか?